自分の自由を担保する「節度のある孤独」と、命を脅かすような「要注意な孤独」との境目は、孤独が永続化していくような、誰も自分に関心を寄せていないというような感覚を自身が感じ取った時。孤独が呼び寄せる鬱のサイン(表)が出てきたら、一人でつらさを抱え込まないことが第一です。

 孤独の渦中の人は、援助を求める行動が取れません。周りの人が早めにSOSを拾うには、まず、その人の生活に目を向けてほしいです。人は孤独感が募るとセルフネグレクト(自己放任)になります。運動はせず、暴飲暴食をし、食事を抜いて痩せる、というように。昼夜逆転するケースもよくみられます。

 高いスキルがなくても、チームで取りかかれば、質の高い支援ができます。援助は1対1で丸抱えせず、「もう一人の援助仲間」を加えること。孤独だけを解消しようと手を差し伸べても、一発でうまくはいきません。長い目で見てほしいです。

(聞き手/ノンフィクションライター・古川雅子)

AERA 2018年9月3日号