海外の優待で有名なのは、クルーズ船運航会社の乗船割引。乗船料を250ドル(約2780円)サービス
海外の優待で有名なのは、クルーズ船運航会社の乗船割引。乗船料を250ドル(約2780円)サービス

 株主優待制度は日本独自の制度といわれているが、厳密には間違い。株式取引の先進国である欧米にも株主優待はあり、日本ほど導入会社数が多くないが、個人投資家の人気は根強い。

 株主優待は英語で「シェアホルダー・パークス」、直訳すれば「株主特典」だ。

 米国のカーニバル・コーポレーションは、世界最大のクルーズ船運航会社。豪華客船の代名詞「クイーンメリー2」など多数の大型船を世界の海に浮かべる名門企業だ。

 この会社の株主になると、「14日以上の乗船で250ドルサービス」などの割引特典がある。株主ならではの“特別感”を前面に押し出しているのが特徴といえるだろう。

 優待ではないが、著名な投資家で世界有数の大富豪、ウォーレン・バフェット氏が率いる米国のバークシャー・ハサウェイの株主総会では、同社の出資先であるシーズのチョコレートなどを特別価格で販売している。

 バフェット氏のスピーチを肉声で聞く臨場感とともに、投資をしている実感を株主みんなで共有するにはぴったりの演出といえるだろう。

 一方、英国のザ・レストラン・グループは日本のファミレスやパブに相当する飲食店を経営しているが、株主には毎年25%引きの割引券を配り、株主に来店を促している。

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