部」という猫好きが集まるコミュニティーがあるのに、「犬部」がない理由を、通販フェリシモの広報部担当者はそう話す。人気があるのは、猫のかわいい使用写真が撮れるベッドやおもちゃなど。SNSに掲載し、かわいさを競うまでが、今どきのグッズの楽しみ方らしい。

 猫好きは、猫デザインの商品にもけっこう散財している。最近複数の猫好きの知人に見せびらかされた、猫デザインのクッキー缶もそのひとつ。東京・都立大学駅近くの洋菓子店「アディクト オ シュクル」の通称「猫缶」だ。

 きっかけは3年前。フェーヴと呼ばれる小さな陶器の猫の置物を入れたケーキを販売したところ、猫好きのハートをわしづかみに。その後、缶に猫を描いたクッキーも発売し、多いときは「これまでの店での売り上げより、多く売り上げることもあるほど」(シェフの石井英美さん)のヒット商品となった。

「裏の裏を考えるから、猫とのつきあいは頭を使いますね。ところでこの缶のイラストは、うちの猫がモデル。かわいい写真を何枚も送って、知り合いに描いてもらったんですよ~」

 とシェフはデレデレ。やっぱりね。(ライター・福光恵)

AERA 7月2日号