ゲーム感覚でリハビリ、目線でiPad操作…ITで介護に劇的変化 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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ゲーム感覚でリハビリ、目線でiPad操作…ITで介護に劇的変化

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福光恵,柳堀栄子AERA#介護を考える
【モフトレ/Moff】 手軽にできる生活機能訓練として、デイサービスなどが積極的に採り入れている(撮影/工藤隆太郎)

【モフトレ/Moff】 手軽にできる生活機能訓練として、デイサービスなどが積極的に採り入れている(撮影/工藤隆太郎)

80代の女性は「最初は全然上がらなかった腕も、少しずつ上がるようになった」と話す(撮影/工藤隆太郎)

80代の女性は「最初は全然上がらなかった腕も、少しずつ上がるようになった」と話す(撮影/工藤隆太郎)

【施設向け介護支援システム/Z-Works】 センサー(左)を使って、お年寄りの居室の様子がスマホでわかる。4月の介護報酬改定では、見守りセンサーの導入が促進された(撮影/編集部・柳堀栄子)

【施設向け介護支援システム/Z-Works】 センサー(左)を使って、お年寄りの居室の様子がスマホでわかる。4月の介護報酬改定では、見守りセンサーの導入が促進された(撮影/編集部・柳堀栄子)

【リカナス/デジタリーフ】 2秒間視線が静止すると、ボタンがタップされる仕組み。上写真の「食事」に目線を合わせると、下写真の画面になり、「食べたい」「飲みたい」「お代わり」から選択できる(撮影/工藤隆太郎)

【リカナス/デジタリーフ】 2秒間視線が静止すると、ボタンがタップされる仕組み。上写真の「食事」に目線を合わせると、下写真の画面になり、「食べたい」「飲みたい」「お代わり」から選択できる(撮影/工藤隆太郎)

 近年、急激に生活の中に普及し始めたIT。その技術は、多くの問題を抱える介護の現場でも助けとなってくれそうだ。すでに、介護施設やお年寄りの居室で活用されている機器もある。「ゲーム感覚でリハビリできる機械」もその一つだ。

【写真】手軽にできる生活機能訓練「モフトレ」の様子はこちら

「では、いすの背につかまって足の運動からはじめましょう!」

 千葉市中央区にこの春オープンしたばかりのデイサービス

「carelabo西千葉」生活相談員の秋山由美さん(57)が利用者ふたりに声をかけた。テレビ画面に映ったトレーナーのお手本を見ながら、「1、2、3、4」という掛け声と音楽に合わせて、足を前に上げていく。

 足首には「モフバンド」と呼ばれる腕時計型のウェアラブル端末。これが動作を読み取って、画面上の目盛りが足の高さに合わせて上下する。リアルタイムでカウントも増えていく。真剣な顔つきで取り組んでいたふたりだが、10回終わって拍手音が流れたころには、「とても気持ちいい」と笑みがこぼれた。

 このデイサービスが導入しているのは、「モフトレ」という自立支援プログラムだ。iPadにダウンロードした専用アプリとモフバンドとを連係させ、画面操作で簡単にトレーニングを行うことができる。

 アプリには、ふたりがやっていたような、介護が必要な人が様々な日常動作を行えるようになるための、手や足を使った運動メニューも収録されている。このデイサービスを運営するcocolabo代表取締役の立川大輔さん(36)は言う。

「モフトレは、理学療法士やリハビリの専門職がいない現場でも、無資格の職員が専門性をもって指導できる。導入コストも高くないので助かります」

 現在、個人での利用はできないが、モフバンド自体はアマゾンでも5千円程度で購入できる。この機器を販売するMoff代表取締役の高萩昭範さん(41)は、そもそも子ども用のアプリ「モフサウンド」を開発。モフバンドをつけて手を振ると、楽器の音がするというゲーム。これを、高齢者のリハビリ用に進化させたものが「モフトレ」だ。

「体を動かすことに気が進まない方々に対し、いかに動いてもらうかは、楽しさが鍵だと思います」(高萩さん)

 実際に記者も、モフトレを試してみた。まず驚いたのは、リチウムイオンバッテリーではなく、ボタン電池を使っていること。価格も安く、リチウムイオンに比べて熱を持たないので高齢者にもやさしい。しかもこのモフトレ、意外にハマる。


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