戦争映画「作るべきです」、国内外から悼む声が相次ぐ高畑勲監督秘話 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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戦争映画「作るべきです」、国内外から悼む声が相次ぐ高畑勲監督秘話

山本大輔AERA
国内外から悼む声が相次いだ高畑勲さん。「かぐや姫の物語」の制作中、使い続けていた机に向かい、穏やかな表情を見せた。2013年12月撮影 (c)朝日新聞社

国内外から悼む声が相次いだ高畑勲さん。「かぐや姫の物語」の制作中、使い続けていた机に向かい、穏やかな表情を見せた。2013年12月撮影 (c)朝日新聞社

「何かありげにしてお客さんを煙に巻いていく映画もたくさんある中で、ちゃんとこれが伝えたいんだってことをシンプルに伝えていく。すごく分かりやすかったし、好感が持てました」

 まさに高畑監督自身の映画制作に対する信念がにじみ出た言葉だった。高畑監督は、「メアリ」の音楽に使う楽器選びに協力するなど、「後継者たち」の新たな旅立ちを応援していた。

 ジブリ時代、西村氏は高畑監督に問うたことがある。

「高畑監督は戦争を経験されていて、『火垂るの墓』を作った。僕らは戦争を経験していない。そんな人間が戦争映画を作る機会を得た時に作るべきなのでしょうか。とてもリアルには描けない。それでも僕らは戦争映画を作るべきなのでしょうか」

 監督はこう応じたという。

「作るべきです。作らないよりはいいんです、それは」

 各国のメディアがこぞって「伝説」と評した高畑監督が、世に訴え続けたメッセージは、自身の後継者らにも世界中のファンにも、世代や国籍を超えて確かに継承されていくだろう。(編集部・山本大輔)

AERA2018年4月16日号


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