大学では同年代ばかりではなく、20~30歳上の親世代、はたまた祖父母世代まで同じ教室で学ぶことになるかもしれない。さらに外国人留学生の受け入れがこのまま進めば、国籍も年齢もバラバラの同級生と切磋琢磨(せっさたくま)することになる。特に優秀な学生が集まる大学は、国際社会で通用するリベラルアーツ教育がなされ、真の知的エリート養成機関となる。そこでは「大学はモラトリアムだから」という甘えは通用しない。大学に入ったら終わり、という時代は確実に終わるだろう。

 大学卒業後の「出口」も、22歳で一斉に企業に就職という形だけではなくなる。

「グローバル企業は通年採用が基本。既卒者や海外留学生と同じように、どのタイミングでも入社試験にチャレンジできるようになるでしょう」(第一生命経済研究所上席主任研究員の的場康子さん)

 大学の学費については、大幅に下がるという予測はない。子が返済型奨学金を背負って社会に出ると、学び直しの足かせになる。大学までの教育資金は、親が準備するという心構えはしておきたい。(編集部・作田裕史)

AERA 2018年4月2日号より抜粋