公務員の女性比率これだけ低い(AERA 2018年2月26日号より)
公務員の女性比率これだけ低い(AERA 2018年2月26日号より)

 総務省の調査では、地方公共団体の2017年の総職員数(フルタイムの非正規公務員などを含む)は約274万人。94年から約54万人減少している。

 一方、同省の「地方公務員の臨時・非常勤職員に関する実態調査」によると、16年の非正規公務員は約64万3千人。05~16年で約18万7千人も増加した。

 正規から非正規への「置き換え」が進む最大の理由は非正規職員の賃金の低さだ。上林氏が16年の総務省調査の結果をもとに、臨時・非常勤職員がフルタイムで勤務した場合の年収を算出したところ、一般事務職員では、特別職非常勤が207万円、一般職非常勤が176万円、臨時職員が162万円。663万円程度の正規公務員と比較すると、3分の1~4分の1だ。

 背景には、「小さな政府」を志向する機運の高まりと、自治体の財政逼迫がある。ただ、民間企業の「内部留保」のような現象も起きている。総務省の調査によると、16年度末の地方公共団体の基金総額は21兆5461億円にのぼり、過去10年間で58%増。このうち自治体の「貯金」ともいえる「財政調整基金」は85%の大幅増だった。

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渡辺豪

渡辺豪

ニュース週刊誌『AERA』記者。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図~普天間移設の内幕~』(第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞)、『波よ鎮まれ~尖閣への視座~』(第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)など。毎日新聞で「沖縄論壇時評」を連載中(2017年~)。沖縄論考サイトOKIRON/オキロンのコア・エディター。沖縄以外のことも幅広く取材・執筆します。

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