リアルオプション型開発の好例として飯田准教授が挙げるのが、高松市にある「高松丸亀町商店街」。後継者不足や店主の高齢化で閉店が相次ぎ、シャッターが閉まったままの店が多かった。商店主たちは「何とか商店街を元気にしたい」と立ち上がった。470メートルの商店街を7街区に分け、10年近くかけ順次進めていった。

「丸亀ももしかしたら失敗していたかもしれない。しかし、途中で引き返せるプロジェクトでした。実施前から完成時のファーストベストがわかっているなんてことはあり得ません」(飯田准教授) 

 地方創生の神髄は、「今だけ・ここだけ・あなただけ」の商品やサービスを提供できるかどうかにある。必要なのは「いかにして稼ぐか、いかにして稼ぎを逃さないか」の視点だとされる。その際、キーとなるのが「中規模以上の都市」だと、飯田准教授は語る。

「中心地人口10万人、周辺人口20万人などエリア人口30万人を抱える地域で、各県に2、3カ所地域。例えば、長野県だと長野都市圏と松本都市圏などです」

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