年内にもリリース予定のクリプト・ルーブルは国が管理する決済手段としての域内仮想通貨だが、民間投資家がビットコインやイーサリアムのような仮想通貨のマイニングをするケースも想定しており、今年に入ってロシア国内の投資家がマイニング用の発電所を取得している。

 コインチェック事件が植え付けた仮想通貨のイメージは「危険なギャンブル」といったところか。しかし、実際の機能や役割はもっと大きく、公の福祉に寄与する可能性を秘めた技術だと、油屋さんは言う。

「大切なポイントは、仮想通貨は車であって、ブロックチェーンは道路だということ。道路は人でもロバでも馬車でも、何が通っていてもいい。不動産取引の履歴を追うとか、牛肉のトレーサビリティーに使うとか、ブロックチェーンの技術はあらゆるものに使えるんです。インターネットの黎明期に似た状況ですが、いずれみなさんにとってかけがえのないツールになります」

(編集部・大平誠、澤田晃宏)

AERA 2018年2月12日号より抜粋