「銀行員=金融のプロ」ではない?(※写真はイメージ)
「銀行員=金融のプロ」ではない?(※写真はイメージ)

 銀行が守ってきた出向・転籍という人員循環システム自体、崩壊しつつあると言われている。つまり、銀行はこれまでのように「終身雇用」や「出世」というニンジンをぶら下げられなくなる。となれば、将来を危ぶんで、転職を考える銀行員が増えるのは当然の流れだろう。

 ではその時に、どういう銀行員が転職マーケットで評価されるのか。

 パーソルキャリアが運営する転職サイト「DODA(デューダ)」の大浦征也編集長によれば、メガバンク出身者は転職マーケットでは概して人気だという。

「新卒時点でそれなりの競争を勝ち上がってきているので、ベースのポテンシャルが高い。体育会系な組織文化の中で目標をきっちり達成する力が鍛えられている。最低限の財務経営の知識を持ち、中小企業の経営者とも対等に話ができるだけのコミュ力があるというのが高評価の理由です」

 一方で、地銀や信金・信組の出身になると、評価にバラつきが出てくる。新卒時に「地元から近いところ」という要素で選んでいる人が多く、転職市場では、実際は違ったとしても「そういったメンタリティーを持っている」という先入観で見られがち。また、顧客層の違いもあり、複雑性の高い融資経験や財務分析力が乏しいと見られるケースも。なかなか地道な営業能力以外を評価してもらいにくい実態があるという。

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