●順番が納得できない

 裁判では副店長の態度は一変。「訴訟記録の中に閲覧制限が多い」などの理由で被告側の書証は開示されなかったが、実父によると、心中を持ちかけたことを否定し、女性のほうが交際に積極的だったなどと証言しているという。事実確認などを求めた本誌へのサイゼリヤ広報の回答は、「係争中の事案であるためコメントを差し控えさせていただきます」だった。

 女性の実父は社寺の建具や仏具を手がける職人だ。娘のための仏壇は人に任せたくない。

「部品は全部作ったんですが、どうしても組み立てられない。位牌も作ったのに出せない。線香一本上げる気になれないんです。死ぬ順番が、納得できない。娘には普通の恋愛をしてほしかった。彼氏ができたら紹介してもらって、酒の一杯でも飲みたかった」

(編集部・大平誠)

AERA 2017年11月27日号