本当はそんなことないのに、「手がつけられない」とか言われてめちゃくちゃ恐れられている不良、昔の漫画によくいたでしょう。あんな感じでしょうか(笑)。僕はこういう「しがらみ」や「忖度」というものに、非常に強い疑いを持っている。そこを正面突破すれば、鮮やかな仕事ができると思ったんです。

──突然の発表は、まさに鮮やかでした。

 正式発表まで、僕以外に知っていたのは2、3人でした。出資を受けているテレビ朝日にも、申し訳ないと思ったけれど伝えなかった。正直、誰にも止められたくないという思いが強くありました。

 僕はこのAbemaTVにかけているし、腹をくくってやろうと覚悟していますが、影響が読めない部分も多かったので、周りを巻き込まないようにしていたんです。とはいえ、秘密にしておくのは本当に大変で、そのストレスを和らげるために大人用レゴを黙々と組み立てたりしていました。

●わざわざつけたくなる

──「72時間ホンネテレビ」以外にも、羽生善治三冠(当時)と藤井聡太四段の対局など、既存メディアに先んじる、あるいはひと味違う企画が話題です。「トンガリスト会議」の名前が象徴するように、「尖っている」ことを重視しているのですか。

 僕たちの「尖っている」の定義は「地上波でできない企画」ではなく、「それを見るためにわざわざAbemaTVをつけたくなる企画」です。尖ってないものって、やったのかやってないのか分からないうちに終わっちゃうんですよね。

 いま尖っているなぁと思う番組は、「おぎやはぎの『ブス』テレビ」です。ブスと言われる人たちがすごく楽しそうにポジティブに話していて面白い。人気もあります。

──番組では、女性の外見に辛辣なコメントをして笑いを誘うシーンもあります。傷つく人もいるのではないですか。

 あえてそういう発言をすることで討論になる。それってけっこういいんじゃないかと思ってるんですけどね。もちろん大問題になってマイナスが大きいようならやめます。今のところ批判もそうはないので、童貞について考える「DTテレビ」というのも始めました。

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