女子校でも最近では、東京都の共立女子高校の地理歴史部が鉄道模型製作の分野で目覚ましい活躍を見せている。今年で9回目を数える「全国高等学校鉄道模型コンテスト」にジオラマを出展し、毎年のように受賞。今年度の作品「深秋」は伊香保の温泉街をモチーフに、深く色づく紅葉を女性らしい繊細さで表現し、モジュール部門で参加142校中、第1位の最優秀・文部科学大臣賞などを受賞した。

 受賞をきっかけに、部員10人は11月にアメリカのミルウォーキーで行われる「トレインフェスタ」に特別招待されることとなり、英語でプレゼンテーションをする予定という。この栄誉ある作品もむろん、同校の文化祭で確認ができたわけだ。

 文化祭というと、お化け屋敷のような見せ物や模擬店ばかりに人気が集まり、部活単位の展示が軽視されがちだが、普段はおとなしい理系や歴史好きの少年少女たちが活躍するこんな場面からも、学校が秘めるバリューが垣間見られる。(ジャーナリスト・鈴木隆祐)

AERA 2017年11月6日号より抜粋