文化祭は日頃、地味に見られている鉄道研究部にとっても実はひのき舞台だ(※写真はイメージ)
文化祭は日頃、地味に見られている鉄道研究部にとっても実はひのき舞台だ(※写真はイメージ)

 文化祭は日頃、地味に見られている鉄道研究部にとっても実はひのき舞台だ。有名校の鉄研はブログやツイッターアカウントを持っているので、部内の様子がそこからもわかるが、本番が近づくにつれ、大がかりなジオラマ製作に追われるさまなどが確認できる。各校の取り組みをジャーナリストの鈴木隆祐氏がレポートする。

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 私が取材した中では、神奈川県の浅野学園の鉄研が印象に残る。1963年に発足し、50年を超える歴史を持つ同部では、ジオラマを「ボード」と呼ぶのだが、その名にふさわしい大がかりな規模。川にかかる橋、森の中の寺など丁寧に作り込まれた街並みの中を、CCDカメラを積載した自家製車両が縦横に駆け巡る。今年の「打越祭」でも、本領を発揮していた。

 愛知県の海陽学園もさすがJR東海が設立に関わった学校だけあり、鉄道同好会が文化祭でも輝く。数年前の取材時に感心したのは、来校者の子どもに硬券を配り、入鋏(にゅうきょう)するというアトラクション。教室という駅内に入れば、仰天のジオラマが広がり、子どもたちは夢中でNゲージを動かしていた。

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