日常品が続々対象に…懸念長引く神戸製鋼の改竄問題 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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日常品が続々対象に…懸念長引く神戸製鋼の改竄問題

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江畠俊彦AERA
10月13日に記者会見した神鋼の川崎博也会長兼社長(右)。川崎氏が社内の調査委員長に就く予定だったが、それに代えて外部の調査委員会を設置することになった (c)朝日新聞社

10月13日に記者会見した神鋼の川崎博也会長兼社長(右)。川崎氏が社内の調査委員長に就く予定だったが、それに代えて外部の調査委員会を設置することになった (c)朝日新聞社

 納入先の各社は検証を急ぎ、徐々に結果が出てきた。たとえばトヨタ自動車ではアルミ板をボンネットやバックドアに使う車で、安全性や耐久性の関連法規や独自基準を満たすとわかった。日立製作所でも新幹線のボディーや台車、通勤電車のボディーにアルミ製品を使う。神鋼から受け取った正しいデータをもとに強度に問題はないと確認。鉄道会社に詳細を説明している。

 もちろん、これで一件落着ではない。まだ検証が続く製品は多そうだ。トヨタでは銅管、鋼線などを確認している。

 そもそも該当製品を探すにも、

「商社から買ったものもある。製造元をたどるのは一苦労です」(造船会社の中堅幹部)

 別のメーカー関係者は、まだ検証に十分なデータが神鋼から届いていないという。

「待つしかありません」

 さらに懸念が長引きそうなのが「危険度が段違い」とメーカー幹部が漏らす航空関連だ。飛行中に事故が起きれば、ただちに人命を左右しかねない。

 いまのところ、このメーカーが関係する航空機が問題視されたことはない。運航は続き、神鋼のデータを見ても、「それほど重要な箇所ではなさそうだ」。

 それでも幹部を悩ませるのが耐久性だ。実際に使い続けてみなければ、本当の「答え」はわからない。もし製品寿命が設計よりも短ければ、部品交換や点検の頻度を上げるなど整備マニュアルを改訂する必要もある。

「どんなに軽くても事故が起きれば、製造から販売までかかわった会社すべてが、少なくとも道義的な責任を負う」(同)

 神鋼は改竄発覚以降、契約に適合した製品を出荷していると表明していた。しかし10月20日、アルミ製品の一部で管理職を含めた従業員が自主点検で不適合品を報告せず、発覚を免れたと発表。どうすれば、神鋼は納入先、ひいては消費者の安心と安全を取り戻すのに全力を尽くすのだろうか。(編集委員・江畠俊彦)

AERA 2017年10月30日号


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