「ダブル不倫報道」に関して記者会見で質問に答える女優の斉藤由貴(2017年8月3日)
「ダブル不倫報道」に関して記者会見で質問に答える女優の斉藤由貴(2017年8月3日)
不倫疑惑報道で「信頼を裏切った」として釈明する自民党の今井絵理子参議院議員(2017年7月27日、同党本部)(c)朝日新聞社
不倫疑惑報道で「信頼を裏切った」として釈明する自民党の今井絵理子参議院議員(2017年7月27日、同党本部)(c)朝日新聞社

 なぜ、この人が──。分別盛りで地位もある女性たちの不倫疑惑報道が続いている。『不倫の恋で苦しむ男たち』(WAVE出版)など、恋愛・不倫に関する多くの著書があるライターの亀山早苗さんに緊急寄稿してもらった。

 不倫疑惑報道が止まらない。最近に限っても、今井絵理子参議院議員、山尾志桜里前衆議院議員、そして女優の斉藤由貴。奇しくも30代から50代までの女性たちが揃っている。

「男はいくつになっても浮気するものだが、女がしてはいけない。女は浮気などしないものだ」

 誰の心の中にも、そんな思い込みや刷り込みがあるから、大きく報道されるのかもしれない。不倫を始めとした男女問題を18年ほど取材してきたが、今ほど既婚女性が不倫をしている時代はないのではないかと思う。

 既婚女性たちが不倫に走るには、さまざまな背景がある。以前は既婚男性と独身女性の組み合わせが圧倒的に多かった不倫も、現在は双方が既婚のダブル不倫が主流だ。

●「家庭にセックス持ち込まず」“掟”を平然と口にする女性

 バブルがはじけ、リーマン・ショックが起こって男性たちは経済力も自信も失った。男性たちは「自分をわかってくれる女性」「心を癒やしてくれる女性」を求めるようになった。一方で、女性は社会進出が進み、経済的にはまだまだ同等と言えないまでも自分の手で経済力を持ち始めた。自分の欲望を認め、それを声高に言うことがいけないことではなくなった。
 一方で中高年の夫婦のセックスレスは7割を超えているという。だが今のアラフィフはバブル世代。恋愛至上主義で育った。そこへもってきてスマホという強力なツールが現れた。結婚していても恋愛することが簡単になっているのだ。

 さらにここ7、8年だろうか。かつて不倫をしていた男たちがよく口にしていた“掟”を女性たちが平然と言うようになった。

「恋愛と結婚は別」「家庭に仕事とセックスを持ち込まない」「浮気を追及されてもシラを切れ」

 こうした女性たちに、自信を喪失した男たちが引っ張られるように恋愛にはまっていくケースが多いように思う。一見、男が主導権を握っているようで、不倫の場合、常に女性の決断力に負うところが大きいのだ。

 50歳になるミカさんも不倫を続けて3年になるという。

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