──「組織力の強い共産党に乗っ取られるのではないか」といった懸念を持つ人もいる。

 そんなこと絶対にありません。不一致点を持ち込まないということも、うんと心がけているんです。例えば、共産党は「日米安保条約は国民多数の合意で廃棄する」ことが大方針ですが、こうした党の独自の政策を持ち込むと共闘にならない。だから不一致点は横に置くと。一致する点で共闘しようということです。

──他党と一致する点とは?

 この間、何度も野党4党の党首会談を行ってきました。一致する点はたくさんあります。一丁目一番地は安保法制の廃止と、立憲主義の回復。二つ目は「アベノミクス」による格差と貧困を是正する。三つ目はTPPや沖縄問題など国民の声に耳を傾けない強権政治を許さない。四つ目は安倍内閣の下での憲法改悪に反対する。私たちの共闘は国民的大義に立ったものです。

──当面の課題は?

 野党共闘でまず取り組むべき課題は、10月22日の三つの衆院補選です。野党統一候補をつくって、三つとも勝ちたい。ただ、それをやるには野党4党の協議が必要です。その協議をぜひ民進党に呼びかけてほしい。野党第1党は民進党ですから。それは先方にも伝えてあります。

●小池新党との共闘は

──あまり時間がありませんね。

 急いで話し合って、統一候補をつくっていく必要がありますが、二つは絶対必要だと言っています。一つは共通政策です。さきほど言った4項目をベースに、安倍政権に代わる政治の方向性を示す共通政策をきちんと確認する必要がある。旗が立たなかったら、国民に対して選挙を戦う大義が立ちませんから、絶対不可欠ですね。もう一点は、野党4党+市民の本気の共闘の体制をつくる。

──本気の共闘?

 ただ候補者を一人にするというだけでは勝てない。本気で力をあわせて選挙を戦うことが不可欠です。

──次期衆院選では小池新党が多くの候補者を擁立してくることが予想されます。小池側近といわれる若狭勝衆院議員との連携の可能性はありますか。

 あり得ません。若狭さんは自民党の国会議員として憲法違反の戦争法、共謀罪などを強行してきました。そういう人が反省なしに何かつくったとしても、自民党の補完政党になるだけです。国政レベルの協力は考えられません。

(構成/編集部・澤田晃宏)

AERA 2017年9月18日号