自動作曲AIソフトの著作権は誰のものに? (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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自動作曲AIソフトの著作権は誰のものに?

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市岡ひかりAERA
上野達弘早稲田大学法学学術院教授。知的財産法が専門。自身も幼少からチェロを演奏する(写真:本人提供)

上野達弘早稲田大学法学学術院教授。知的財産法が専門。自身も幼少からチェロを演奏する(写真:本人提供)

●創作的行為とは何か

 政府の知的財産戦略本部では、2015年からAIの知財制度について検討を重ねている。16年に出された同本部の報告書によると、現行法では、AIによる制作物は「知財制度上は権利の対象にならない」と一応の決着をみている。つまり、AIが制作した楽曲は、誰もが自由に使える、「著作権フリー」に位置付けられるということだ。

 同本部の委員を歴任した、早稲田大学法学学術院の上野達弘教授によると、この原則には専門家の間でも異論はない。ただ、問題は、そこに人の手が加わった場合だ。AIを使った場合でも、人がAIを道具として使い、創作的意図をもって作曲したのであれば、著作権は使用者にある。しかし、自動作曲ソフトを使う時に曲調やテンポを選んだり、複数の楽曲をAIに作曲させ、その中から1曲を選んだりした時、これらの行為は果たして「創作的行為」と言えるのか……。専門家の間でも、意見が分かれているという。

「今後技術が発達すれば、AIを使って、もっと簡単な操作で思い通りの作曲ができてしまうようになる可能性もあります。そうなると、何が人間の『創作活動』なのか。基本的なところから問い直されるタイミングに来ています」(上野教授)

 一方、AIによる著作権が完全に認められないとなれば、別の問題も起こりうる、と上野教授。AIが作った楽曲を「自分が作った」と偽り、ないはずの著作権を主張するケースだ。

 AIは人の音楽活動を具体化する便利な道具か、はたまたそれ自体が「制作者」たりえるのか。その判断はますます難しくなっていきそうだ。(編集部・市岡ひかり)

AERA 2017年9月4日号


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