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デヴィ夫人「日本の真の敵は、日本人」?

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羽根田真智AERA#デヴィ夫人

デヴィ夫人(77)/タレント。東京都麻布霞町(現・港区)出身。1959年、インドネシア共和国のスカルノ大統領と結婚。国籍はインドネシア。著書に『デヴィ・スカルノ回想記』(草思社)ほか

デヴィ夫人(77)/タレント。東京都麻布霞町(現・港区)出身。1959年、インドネシア共和国のスカルノ大統領と結婚。国籍はインドネシア。著書に『デヴィ・スカルノ回想記』(草思社)ほか

 内向き社会と言われながらも、テレビでも、街の中でも多く見かけるようになった。在日外国人やダブル(ハーフ)の人びと。彼ら・彼女らの目に映る現代の日本の姿とは──。タレントのデヴィ夫人に話を聞いた。

*  *  *
 私は約40年間外国に住んでいました。昔の日本人は気高さを持っていました。ところが今の日本を見ると、その気高さはどこに行ったのかと感じ、情けなく思います。例えば日本の女性。現代の女性たちは、とてもきれいです。戦後の日本女性と比べると、抜群に美しい。でも「情操」に欠けたロボット人間ばかりのように感じるのです。

 私が生まれたのはテレビがない時代。楽しみといえば、読書しかありませんでした。フランス、イギリス、ロシア、ドイツなど、世界の文学作品を夢中になって読みました。『赤と黒』を読めばレナール夫人になりきり、『嵐が丘』を読めばキャサリンになりきり、『戦争と平和』を読めばナターシャになりきる。知的な想像の世界に生き、文学の中のロマンスに浸っていた。それが情操豊かな人間をつくる。ところが今はどうでしょう。

 最近では、一緒にいる男性を失いたくない一心で、子どもを平気で虐待死させる母親がいる。自信と誇りを持った大人になりきれていない女性が、主体性も持たずに男性に依存してしまう。自由を履き違えているのではないでしょうか? 英語ではセックスを「メイクラブ」と言います。つまりは、愛の高まりの象徴を意味するのです。ところが、最近の女性は、愛に対して美的感覚が全くないように感じます。単なる「セックス」でしかありません。

 今はSNSなのでしょうが、お手紙も非常にロマンティックなものでしたよ。私はスカルノ大統領から何百通というお手紙をいただきました。今でも大切に保存しています。そこにはすべて、すばらしい詩的な言葉が綴られています。そうした愛の育み合いを、今の方たちは何も知らずに育っているように感じます。最近では新聞を取る人が減っていると言うじゃないですか? スマホでニュースを見るのでしょうが、そうすると、自分の関心のあるものしか読まないでしょう。世界で同時に何が起きているのか全く分からない、知らない。

 日本の若者は政治に関心を持っていない。韓国の若者なんてすごいじゃない。中国も、韓国も、若者が動く。デモをしたり、日本大使館に抗議をしたり。日本の若者は全然しない。自分のことしか興味を持っていない。

 日本は精神的に自立していない女性が多い。愛国心がない若者がほとんど。国益を考えない政治家。何かというと世論を煽るマスコミも悪い。日本の真の敵は、日本人かもしれません。(構成・ライター/羽根田真智)

AERA 2017年8月14-21日号


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