内田樹「『もうすぐ到来する ぱっとしない時代』の予感」 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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内田樹「『もうすぐ到来する ぱっとしない時代』の予感」

連載「eyes 内田樹」

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内田樹AERA
内田樹さんが時事問題に、哲学的視点からアプローチ(※写真はイメージ)

内田樹さんが時事問題に、哲学的視点からアプローチ(※写真はイメージ)

 思想家・武道家の内田樹さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、哲学的視点からアプローチします。

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 先日、朝日新聞から天皇制についてのインタビューを受けた。その中で昨夏の陛下の「おことば」を高く評価し、天皇制はすぐれた政治制度であると語った。これについて「右」のメディアから好意的な反応があったのは怪しむに足りないが、「左」のメディアから批判的なコメントがほとんどなかったのは意外だった。同時期に私は兵庫県知事選で共産党が支持する候補者の推薦人になっていたので、誰かから「そういうことを言われては困る」と苦情を呈されるかと思っていたが、何も言われなかった。

 その少し前に「赤旗」が取材に来て、共産党の党勢はこれから伸びるでしょうかと訊かれた。「右」にウイングを広げればチャンスはあるとお答えした。かつては共産党の「左」に「極左」がいた。「極左」は共産党の市民政党化をことあるごとに批判し、「ブルジョア議会制への屈服」「俗情との結託」と罵った。共産党は「極左」からの批判など痛くもかゆくもないという顔をしていたが、やはりマルクス主義政党としては、誰からであれ「反革命」と罵られることは心痛む経験だったに違いない。


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