伊勢崎賢治が語る 地位協定交渉で疑問尽きぬ日本の対応 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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伊勢崎賢治が語る 地位協定交渉で疑問尽きぬ日本の対応

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藤田直央AERA#ドナルド・トランプ
東京外国語大学教授・伊勢崎賢治さん(59)。「海外派遣が増えた自衛隊のため、日本が各国と結ぶ地位協定にも注目すべきだ」と唱える(撮影/朝日新聞専門記者・藤田直央)

東京外国語大学教授・伊勢崎賢治さん(59)。「海外派遣が増えた自衛隊のため、日本が各国と結ぶ地位協定にも注目すべきだ」と唱える(撮影/朝日新聞専門記者・藤田直央)

 日本の対応で言えば、外務省HPでの日米地位協定の説明もおかしいですね。そもそも論では、この米側の報告書には「一般国際法上、その国にいる人はその国内法に従う。地位協定は駐留外国軍のために例外を設ける」とある。外務省HPでは「一般国際法上、駐留外国軍には特別の取り決めがない限り受け入れ国の法令は適用されない」とあり、発想が正反対です。

 また、「刑事事件容疑者になった米軍人の受け入れ国側への引き渡しは他の地位協定より早い」として日米地位協定は不利ではないとしていますが、それだけで言い切ればウソです。例えば駐留米軍の基地使用について、ドイツとの協定には「ドイツ法を適用」とあります。日米地位協定にそうした記述はなく、米軍基地が集中する沖縄県は航空法など国内法の適用明記を両政府に求めています。

 米政府は今回の報告書で問題点もさらけ出して地位協定のあり方を考え、何とかしようとしています。国民を兵士として世界中に派遣する政府の説明責任とも言えるでしょう。日本でも、海外で活動を広げる自衛隊の立場も考えれば、地位協定についてもっと深く広く議論すべきです。

(構成/朝日新聞専門記者・藤田直央)

AERA 2017年4月17日号


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