家から歩いていける距離のところに仲間がいれば、と思いました。そこで近所にネットワークを作ろうと、家の近くでシェアハウスを運営することにしました。今は2棟あって、4年前と2年前にそれぞれオープンしました。
入居者は若い方が多いですが、日本人だけでなく、留学や短期で仕事に来ている海外の方もいます。今は韓国とドイツと台湾の人がいます。外国の方は自分の国の食べ物を持ってきてくれて、よく一緒に食べています。
僕もシェアハウスに行き、ときどき食事をします。家族を超えた付き合いですね。シェアハウスの屋上には菜園があって、そこでハーブなどの野菜を作っています。いざとなったときに、ここで作った野菜を食べることができる。僕も農作業をします。
日常から顔を合わせている人たちの近所のネットワークがしっかりしていると、いざ災害が起きた時に役に立ちます。
それぞれの人が、自分の得意なことで貢献できる。普段から付き合いがあると、誰が何が得意で、いざとなったらどんな役に立てるか、お互い把握しています。海外の方とのネットワークができるのも、とても助けになります。
直接会うだけではなく、シェアハウスや事務所の人たちなどとは、SNSを使って連絡も取り合います。実際に会うためのSNSです。
来年、三つ目のシェアハウスをつくりますが、「食」を強化します。屋上の菜園だけでなく、シェアハウスの階下にはレストランも入れて、いつでも食事ができるようにする予定です。
(編集部・長倉克枝)
※AERA 2017年3月13日号