リリースしたシングルは53枚。数カ月に1枚のハイペースだが、「それが当たり前だった」と伊藤。メンバーには、曲を作り続けないと成長できないという思いがある。「ハリケーン・リリ、ボストン・マリ」のようなロック、「恋音と雨空」のようなミディアムバラードからジャズ、EDMまで楽曲のジャンルは幅広く、巨大な会場をものともせずに沸かせていく。経験を積んできたからこそドームでも冷静でいられたし楽しめた、と彼らは言う。

「AAAを見たいのに見られない、という人がいるのはさみしい。だから小さな会場でもライブをするんです」(日高)

 メンバーの多くが30代に突入。個々の曲に対する思い入れは強くなり、1曲のために何度も打ち合わせを重ねる。

「7人の意見をまとめるのは難しい。でも、メンバーがカッコいいから貫きたいというものがあれば、みんな理解してくれる。みんなが“これだ!”と一致した曲は、ファンも喜んでくれる」(浦田)

 家族よりも長い時間を共に過ごすメンバーは本当の意味で「仲間」だ。

「長年みんなで頑張ってきて本当によかった。最近しみじみ感じています」(與)

(編集部・柳堀栄子)

AERA 2017年3月6日号