「一本1500円でも、1時間に3本書けば時給4500円。どこもライター不足で、いまは仕事を断っている状態です。実績ができればライターを管理する編集者の仕事も頼まれ、単価は大幅に上がる」

 さながらバブルの様相を呈するWebライター業界。だが、好況を脅かすライバルがいる。人工知能(AI)だ。

「Articoolo」は、キーワードと語数を指定すると、500語程度なら1分で記事を作成する。自社のニュースサイトの「記者」として使うビットエーの中村健太CMOはこう話す。

「現在は英語版のみで記事として公開できるのも1割程度の確率だが、1文字いくらで仕事をしているWebライターはあっという間に駆逐されるでしょう」

 AIに詳しいロボティア編集長の河鐘基(ハ・ジョンギ)さんも指摘する。

「すでにAP通信などが企業の決算ニュースやスポーツの速報など、AIで記事を作り始めています。韓国ではインスタグラムなどにアップされた写真とユーザーの反応を付け加えた芸能記事も作成されています」

 取材不要のコピペ記事は、今後ますますAIが代行していくのだろう。Webライターバブルが弾けるのも時間の問題だ。(編集部・石臥薫子、澤田晃宏)

AERA 2017年1月23日号