浜矩子「仮想通貨は“仮装通貨”がピッタリくる」 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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浜矩子「仮想通貨は“仮装通貨”がピッタリくる」

連載「eyes 浜矩子」

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ネット上の物体だけに、仮想通貨という名前を与えるのは、おかしいと思う。むしろ、「架空通貨」というべきではないか (※写真はイメージ)

ネット上の物体だけに、仮想通貨という名前を与えるのは、おかしいと思う。むしろ、「架空通貨」というべきではないか (※写真はイメージ)

 通貨は、それを人々が通貨だと仮想するから通貨になる。金貨は、それが金で出来ているから通貨なのではない。それを人々が通貨だとみなしているから通貨なのである。かつて通貨だった小判は、いまや通貨ではない。骨董品だ。それは、人々が小判を通貨と仮想することをやめたからにほかならない。クマさんのぬいぐるみだって、我々がそれを決済手段だと想定すれば、立派に通貨になれる。

 こうしてみれば、新たに登場してきた得体の知れないネット上の物体だけに、仮想通貨という名前を与えるのは、おかしいと思う。むしろ、「架空通貨」というべきではないか。筆者はそう考えてきた。

 すると、最近、とても面白いテレビのニュースに遭遇した。仮想通貨に関する話題だったが、その報道が終わってしばらくすると、アナウンサーさんが「お詫びと訂正」の口上を述べた。「先ほどのニュースの字幕が誤っておりました。仮装通貨ではなくて、仮想通貨でした」。これはいい。この訂正は必要なかったと思う。あれらの物体には、仮装通貨の名称がピッタリだ。(浜矩子)

AERA 2016年12月26日号


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浜矩子

浜矩子(はま・のりこ)/1952年東京都生まれ。一橋大学経済学部卒業。前職は三菱総合研究所主席研究員。1990年から98年まで同社初代英国駐在員事務所長としてロンドン勤務。現在は同志社大学大学院教授で、経済動向に関するコメンテイターとして内外メディアに執筆や出演

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