就職は「超氷河期」。昨年9月に韓国政府と経済界が大邱で開いた就職説明会には、約1万5千人が詰めかけた (c)朝日新聞社
就職は「超氷河期」。昨年9月に韓国政府と経済界が大邱で開いた就職説明会には、約1万5千人が詰めかけた (c)朝日新聞社

 韓国の少子化が止まらない。猛烈なスピードで進み、「ロスジェネ」も登場。日本の相似形のような隣国で、若者たちがあえいでいる。

 1人の女性が生涯に産む子の平均数を示す合計特殊出生率が、2005年に1.08まで落ち込んだ韓国。その後持ち直したとはいえ、1.2前後が続いており、1.4台の日本よりも低い。人口に占める高齢者の割合は日本ほど高くはないが、少子化のスピードは日本以上だ。

 現代経済研究院の研究員、金千求(キムチョング)さんはこう指摘する。

「韓国はこれまで、豊富な労働力や高い教育水準が経済成長を引っ張ってきた。いまは年3%台の成長ができる実力があるが、少子化も影響し、20年には1~2%に落ちるのではないか」

 景気の減速はすでに始まっていて、それに伴う若者の雇用環境の悪化も影を落とす。15歳から29歳までの失業率は11年には7.6%だったのが、13年8.0%、14年9.0%、15年には9.2%にまで高まっている。安定した職は狭き門になり、劣悪な仕事が増えた。これでは恋愛も結婚も出産も放棄せざるを得ないとして、「3放世代」なる言葉も生まれた。日本でいう「ロスジェネ世代」だ。

 インターネット番組「絶望ラジオ」が、若者たちの置かれた状況を告発する。

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