「まずロボットプロジェクトで中小企業同士を結びつける。そして、それをコーディネートする日本版インパナトーレをつくりたい」(緑川さん)

 緑川さんはこのプロジェクトでもう一つ、「つながり」による果実を得ている。「機動戦士ガンダム」のメカニックデザインを担当した大河原邦男さんが、ロボットをデザインしてくれたのだ。

 中小企業の技術や製品は、単体では売れないものも多い。ただ、誰かや何かとの連携で価値が増し、市場に受け入れられることもある。イノベーション手法のコンサルティングを行うアイディアポイントの岩田徹社長は言う。

「たくさんの人を巻き込むこと。生まれるアイデアの平均的な質は下がるが、突飛(とっぴ)なアイデアが出る可能性は上がる。イノベーションが起きやすくなる」

(アエラ編集部、ライター・青木典子)

AERA  2016年2月22日号より抜粋