「まず、シンプルに電気料金自体がどれだけ安くなるのか検討してみましょう。『J:COM電力』は第3段階料金が10%引き、2段階目は1%引き、1段階目は0.5%引きになります。一方、HTBエナジーは第3段階から基本料金まで一律で5%引きというわかりやすい料金体系です。アイ・グリッド・ソリューションズは3段階目の料金のみ12%引くという設定です。電気の使い方によって、お得感は変わります」

 東燃ゼネラル石油は、月間の電気使用量が300キロワット時以下でも東京電力の旧料金よりも割安になるが、20アンペア以下の契約では利用できない。逆に、イーレックス・スパーク・マーケティングは使用量が300キロワット時を超えると割安になり、関東エリアでは最大9%、関西エリアでは最大14%、九州エリアでは最大9%程度安くなる計算だ(いずれも地域大手電力の旧料金との比較)。

 次に、「セット割」「ポイント割」や各種特典を比較しよう。

 たとえば東京電力は、コンビニなどで1ポイント=1円で使えるTポイントやポンタポイントと提携。電気料金1千円(税抜き)につき、5ポイント与える。「プレミアムプラン」では、3月末までに2年契約すると1万2千ポイントが付く。

 ソフトバンクの「おうち割 でんきセット」では、携帯料金などから最大で月300円割引される。月の電力使用量が300キロワット時を下回った場合は、Tポイントかスマホのデータ通信量に換えられる。

 東京ガスでは、指定した光回線サービスを組み合わせることで、光回線の月額料金を100~300円割り引く。3月末までに契約すれば、すかいらーくの優待券が当たるほか、水まわりなどのトラブルに24時間対応する「駆けつけサービス」(最大で2年間)や、料理レシピサイト「クックパッド」の会員向けサービスの一部を無料で利用できる。

 JXエネルギーは3月末までの契約で、利用開始月の電気料金を2千円値引き。自社のクレジットカードで電気料金を支払うと、ガソリンを1リットル当たり1円安くする。

 条件ごとにいろんなプランがあり、比較するだけでも疲れてしまいそうだが、ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは「ポイントだけに目を奪われないほうがいい」と話す。

「たとえば東電のプレミアムプランは2年の契約期間中に解約すると5千円の解約料がかかることがあります。大阪ガス、ソフトバンク、KDDI、JXエネルギーも中途解約料が明記されている。ケイ・オプティコムのように契約事務手数料(3240円)がかかる場合もある。パンフレットやHPの細かい記述まできちんと読みましょう」

AERA 2016年2月22日号より抜粋