読書感想文400字=3千円 ポスター等の美術課題=約2万円

 ネットで検索すると、複数の宿題代行業者のホームページが表示される。筆跡をまねし、間違えそうなところはその子のレベルに合わせ、依頼者の子ども仕様の仕上がりにする。きめ細かいとみるべきか、こざかしいと言うべきか。

 神奈川県の元塾講師の板津知直さん(32)は昨年から宿題代行業を始めた。この夏は約100件の依頼があったという。多いのは読書感想文やリポート。支払額は、1人当たり1万〜1万5千円で、依頼の大半は中学受験生の親からだという。「受験勉強に時間を集中させたい」というのがその理由だ。

 なかには、大学の卒論や就職のエントリーシート、社会人の通信教育まで手がけるところもある。 代行業としてはオーソドックスな家事に目を転じると、子育て世帯を中心に、ウェブを活用した新種の格安サービスが注目を集めている。

 代行業としてはオーソドックスな家事に目を転じると、子育て世帯を中心に、ウェブを活用した新種の格安サービスが注目を集めている。

 昨年7月にブランニュウスタイル(東京)が始めた「タスカジ」は1時間1500円からと相場の半値以下を打ち出し、依頼ユーザー数は3千人弱になった。サービスを受けたい客とハウスキーパーをつなぐマッチングサイトを立ち上げ、直接契約にすることで低価格を実現した。

 ANYTIMES(東京)は家事代行に加え、家具の組み立てやペットの世話、墓掃除など40種類以上のサービスにも対応する。希望するサービスと日時、予算などを入力すると、複数のサポーターから見積もりがあがり、その中から最も条件の合う人を選ぶことができる。カテゴリーにない「困りごと」を投げかけることも可能だ。

 マッチングサイトに共通しているのは、依頼人と請負人という関係ではなく、個人の持つスキルをシェアするという発想だ。

AERA  2015年12月21日号より抜粋