「失った感覚取り戻す」内藤礼の作品きっかけに生まれた映画 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「失った感覚取り戻す」内藤礼の作品きっかけに生まれた映画

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「失った感覚取り戻す」(※イメージ)

「失った感覚取り戻す」(※イメージ)

 テレビ番組のプロデューサー・ディレクターとして活躍しつつ、繊細な感性でドキュメンタリーを撮る中村佑子が2作目を発表した。情報の洪水で麻痺していく感覚から自己を呼び覚ますような作品だ。

 香川県豊島。瀬戸内海に浮かぶ小さな島に、その美術館はある。建築家・西沢立衛が設計を、現代美術家・内藤礼がアートを手がけた豊島美術館だ。柱を一切使わずに建てられた美術館は大きな水滴のようであり、天井の開口部からは周囲の木々の音や光が舞い込む。

 開口部にかけられたリボンが風に揺れ、床に開いた無数の小さな穴からは地下水が湧き上がる。水は小さな固まりとなって、わずかに傾いた床の上を生き物のように滑り、やがて中心に泉が生まれる。水、風、光、人。世界に散らばるあらゆる存在を受け入れるこの作品が、内藤礼の≪母型≫だ。

「美術館を訪れたとき、この場所を撮りたい、この作品を作った人のことを深く知りたい、と思いました」

 そう語るのは、映画「あえかなる部屋 内藤礼と、光たち」を監督した中村佑子(37)。≪母型≫と出会ったときの強い衝動が、一本の映画として結実した。

 日頃、プロデューサー・ディレクターとしてテレビ番組の制作に携わる中村にとって、本作は2本目の劇場公開作となる。WOWOWの番組として制作した現代美術家・杉本博司のドキュメンタリーは、国際エミー賞アート部門にノミネートされ、再編集版が劇場公開を果たした。


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