共働きの三種の神器その1、掃除機ロボット。1台10万円近くするものや拭き掃除用もあり、意を決して購入する人も(撮影/写真部・植田真紗美)
共働きの三種の神器その1、掃除機ロボット。1台10万円近くするものや拭き掃除用もあり、意を決して購入する人も(撮影/写真部・植田真紗美)

 仕事と子育ての両立には何かとお金がかかる。世帯年収によって、子育て費用の占める割合は変わってくる。ひとつのボーダーラインとなるのが、世帯年収800万円だ。

 共働き世帯は、家事や育児、介護などの「ケア労働」を外注することで、仕事と家庭を両立している。子どもが小さいうちの主なコストは保育料だ。多くの自治体で、認可保育園の保育料は所得税額に応じてランク付けされ、稼げば稼ぐほど高い保育料を払う仕組みになっている。

 保育料以外のコストもバカにならない。保育時間内に子どもを迎えに行けない場合のベビーシッター代、急ぐときのタクシー代、延長保育料。自炊する時間がない時の外食代、総菜代、食材宅配の配送費。掃除や洗濯に手が回らない時の家事代行費。子どもが小学生になってからも、学童保育料は民間だと月数万円になるし、高学年からは放課後の居場所として塾に通わせる家庭も少なくない。復職後の十数年間はコスパとの闘いだ。

 アエラが実施したアンケートでも、これらのコストを負担だと感じる声があった。

「夏休みや夜間の保育に追加費用がかかる」(女性/40代/パート)
「シッター代のほうが時給より高くつくので頼めない」(女性/40代/パート)
「車の運転ができない義母にタクシーで迎えを頼んだ時期は、子ども2人の保育料と合わせて月10万が消えた」(女性/40代/正社員)

 働いて収入を得るために、コストをかけざるを得ないという“矛盾”。どのくらい稼げば「割に合う」のだろうか。

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