地域の思い汲み取り「空間」つくる 女性建築家の試み (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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地域の思い汲み取り「空間」つくる 女性建築家の試み

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AERA#住宅#働く女性

tomito architecture代表建築家冨永美保さん(26)東京都生まれ。品川女子学院高等部から芝浦工業大学工学部に進み、横浜国立大学大学院Y―GSAを修了。東京藝術大学助手を経て、2014年に独立(撮影/編集部・内堀康一)

tomito architecture代表
建築家
冨永美保
さん(26)
東京都生まれ。品川女子学院高等部から芝浦工業大学工学部に進み、横浜国立大学大学院Y―GSAを修了。東京藝術大学助手を経て、2014年に独立(撮影/編集部・内堀康一)

 住宅から、地域まで。さまざまな空間をつくるリケジョがいる。暮らす人や使う人の思いを建築に生かす。

 横浜市西区の「東ケ丘」は、丘の上に広がる坂の街。見た目通りの名がつく「急坂」を上りながら、建築設計事務所tomitoarchitecture 代表の冨永美保(26)がほほ笑んだ。

「駅に通じる急坂は、地域の大動脈。みんなここを通るから、お年寄りも足腰が強いんです。私はここに通い始めて1年になりますが、もう、150回はこの坂を上りましたよ」

 丘のてっぺん付近を少し歩くと、築六十余年の白茶けた二軒長屋が目に入る。旅行者の宿泊場所として使われており、この日はポーランドからやってきたダンサーたちが集まっていた。

 冨永はこの古民家を改築し、旅行者と子どもたち、地域住民が交わる「ゲストハウス+寺子屋+集会所」としてつくり変える計画を、NPOや住民たちと進めている。

 本来、建築家がここまで現地に通い詰める必要はないのかもしれない。ただ、冨永は優れた建築空間をつくること以上に、「建築をつくったあとに人の生活がどう変わるか」を重視する。だから何度も足を運んで住民の話を聞き、街の歴史を調べたうえで建築設計のイメージを膨らませてきた。

 かつて近くに大きなプールがあって、町内を水着姿の子どもたちが走り回っていたことや、坂道で映画の上映会をしたことなどを街の長老に教わった。近くの小学校には、10カ国以上の子どもたちが通っているということもわかった。


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