LSPで重要視されるのは、個人の価値観やビジョンなど“頭の中のモヤモヤ”を、レゴブロックで具体的な形にすること。それにより、普段は意識していない自分の考えを、言語化できるレベルまで引き上げることができるという。

 取材当日、このプログラムに参加していたブランドコンサルタントの山本秀行さん(53)は、白いプレートの上に色や形が異なるブロックで階段を作り、最上階に窓がついた四角いパーツを置くことで「自分」を表現した。なぜそのブロックを使い、その形にしたのか、チームのメンバーに、こう説明した。

「白のプレートはまっさらの状態からのスタートで、階段を一歩ずつ上っていく先に未来が開けているイメージです。色が異なるブロックの集合は多様な人との関わりを意味していて、黒いブロックは違和感のある意見でも採り入れていきたいという意思を表しています」

 山本さんは、最初からすべてのブロックを意図的に選んだわけではない。さまざまなパーツの中から直感で選び、組み合わせたものもあった。だが、この日のファシリテーターで、ラスムセン・アカデミー校長の石原正雄さんによれば、それこそが無意識のうちに自分が大切にしていることであり、言語化できない「本質」なのだという。

AERA 2015年6月29日号より抜粋