自分の考えをメンバーに伝えるときは、ブロックを指しながら言うのが基本。メンバーもブロックを見ながら聞く(撮影/伊ヶ崎忍)
自分の考えをメンバーに伝えるときは、ブロックを指しながら言うのが基本。メンバーもブロックを見ながら聞く(撮影/伊ヶ崎忍)

「子どものおもちゃ」であることは、もはやレゴの一側面でしかない。新しい顔は「大人の研修ツール」。NASAも使ったというレゴを使用したプログラムで、コミュ力や問題解決能力が身につくという。

 10人の大人がカラフルなブロックを取り囲み、真剣な表情で手を動かす。グレーのブロックに棒状のパーツを組み合わせる人、緑のベースに顔をたくさん重ねる人。作っているのは“自分自身”だ。

 4日間におよぶ研修プログラム「レゴ(R)・シリアスプレイ(R)」(LSP)ファシリテーター養成講座の最終日。この日は、

「あなたがこのチームに持ち込めるものはなんですか? レゴブロックで表現してください」

 という問いから始まった。LSPは専用のレゴブロックを使ってコミュニケーション能力や問題解決能力の向上を目指すメソッド。2001年にレゴ社の教育事業部門の開発責任者だったロバート・ラスムセン氏が開発した。企業の人材開発や組織改革で活用されており、03年にはNASAガ技術者同士のコミュニケーション向上のために使ったという。取材したファシリテーター養成講座は、LSPを活用したワークショップができる人材を育てるためのものだ。

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