選手が住み込む「ゲーミングハウス」には調理を専門とするスタッフが常駐。この日は願掛けの「カツ」をほおばった。食事中の話題もゲームが中心だ(撮影/編集部・内堀康一)
選手が住み込む「ゲーミングハウス」には調理を専門とするスタッフが常駐。この日は願掛けの「カツ」をほおばった。食事中の話題もゲームが中心だ(撮影/編集部・内堀康一)

 遊びだったはずのゲームが、技を競い、観客を魅了する「スポーツ」に。ゲーミングハウスに住み込み、技を磨くプロ集団もいる。

 JR西船橋駅(千葉県船橋市)から歩いて10分強。丘の上の住宅街に、その大豪邸はあった。地下1階、地上2階建ての9SLDKで、家賃は月数十万円。住むのは、医者でも、資産家でもない。

 午後8時。住み込みで調理を担うスタッフが山盛りのチキンカツをドンと食卓に置く。するとスウェット姿の若者たちが集まってきて、ぺろりと平らげた。ここは体育会の寮でもない。

 eスポーツ──。「エレクトロニック・スポーツ」を略したこの聞きなれない言葉は、オンラインの対戦型ゲームを、娯楽としてではなく「競技」としてとらえた呼び方だ。この家は、国内初のプロチーム「DetonatioN」の中心選手6人が今年2月から住み込みで腕を磨く「ゲーミングハウス」である。

 6人がプレーするのは、総プレーヤー人口が7千万人を超えるともされる米国発のオンラインゲーム「LEAGUE of LEGENDS」。特殊なマウスとキーボードを巧みに使ってキャラクターを操り、5人で1チームになって敵陣を攻める。

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