同業者にすこぶる不評も…海外で人気?「ときめく」片づけ 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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同業者にすこぶる不評も…海外で人気?「ときめく」片づけ

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「こんまり」こと近藤麻理恵さんの片づけを特集したニューヨーク・タイムズ紙(写真上)。彼女を「世界の100人」に選んだ米タイム誌(左)。米国で出版された彼女の著書『The Life-Changing Magic of Tidyng Up』(撮影/写真部・岸本絢)

「こんまり」こと近藤麻理恵さんの片づけを特集したニューヨーク・タイムズ紙(写真上)。彼女を「世界の100人」に選んだ米タイム誌(左)。米国で出版された彼女の著書『The Life-Changing Magic of Tidyng Up』(撮影/写真部・岸本絢)

「ときめき」で片づける? 靴下の休日? トンデモ系の匂いがするのに、なぜか世界的ベストセラー。彼女の片づけ術には「禅」の心があるのだという。

 はっきり言って異常事態である。名だたる米メディアがこぞって取材。ユーチューブには、自分の家を片づける経過を追った動画をアップする人が続々。タイトルはこうだ。

<Konmari Method(こんまり式やってみた)>

 こんまりとは、片づけコンサルタントの近藤麻理恵さんのこと。著書『人生がときめく片づけの魔法』は2011年の発売以来、シリーズ累計発行部数199万部。海外15カ国・地域での部数を合わせると300万部に達する。さらに今年は、米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に、あの小説家、村上春樹さんとともに選ばれた。

 でも、「なぜこの人が?」と首をひねる人は少なくないのでは。実は、こんまりのメガヒットの裏には、巧みな海外戦略がある。

 先の著書の版元、サンマーク出版は、海外に注力している。中国、韓国、台湾に続き、ドイツで出版。そこから欧米圏に広まった。

 米国での出版を手がけたのは、米大手出版社ペンギン・ランダムハウス系のテン・スピード・プレス社だ。今年1月には本人が渡米し、メディア各社の取材を受けた。ニューヨークで出版社を経営する男性が言う。

「仏教や禅に興味があって読んだ人も多いようです。米国では『Zen』はとてもクールなものとされています」

 著書の表紙を見ると、日本版はほうきに乗った魔女のイラストが描かれ、乙女チックな印象だ。一方、米国版は、空に雲が浮かぶ絵で、すっきりとしたもの。副題は「the Japanese art of decluttering and organizing」。つまり片づけを「日本式アート」として売り出したわけだ。著書では禅の思想には触れていないが、ニューヨーク・タイムズ紙は彼女を「Zen nanny」(禅のお手伝いさん)と紹介した。

 たとえば靴下を裏返してまとめてはいけない理由はこう。

<収納されている状態の靴下たちは、まさに休養中。いつも激しく使い回され、足と靴の間で蒸れと摩擦に耐え、それでも持ち主の足をかいがいしく包みつづける彼らのつかの間の休日のはずです>

 禅はともかく、どうもこうした内容が「アニミズム(精霊信仰)的」と見られているのだ。

 だが一方、片づけや収納の著書がある同業者には、すこぶる不評で、

「彼女のメソッドには何一つ目新しいものはない。さんざん言い尽くされてきたことばかり。それを『ときめき』という言葉だけで貫き通した、その書き方がうまい。捨てられなくても、捨てすぎて失敗しても、『それはときめきの感度が悪いからだ』と言い訳できますからね」

AERA  2015年5月4日―11日合併号より抜粋


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