苦境乗り越えた尾上松也 支えた猿之助の言葉とは 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)
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苦境乗り越えた尾上松也 支えた猿之助の言葉とは

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 若手俳優の登竜門として知られる新春浅草歌舞伎が一気に若返る。そのなかでも注目の役者である尾上松也(29)は、ここに至るまで多くの苦労を乗り越えてきた。

 昨年興行を引っ張った市川猿之助(39)と片岡愛之助(42)からバトンを引き継いだのは、尾上松也を筆頭に中村歌昇(25)、坂東巳之助(25)ほか7人全員が20代というフレッシュなメンバーだ。松也のほかは全員が平成生まれ、と一気に若返った。

 ほとんど全員が初めての役に挑戦するだけに、一人ひとりが並々ならぬ意欲を見せる。

「年長者として責任がある」と話すのは松也。昨年、歌舞伎俳優として大役が一気に増え、ミュージカルやバラエティー番組などでも大活躍だった。

 だが、20歳で父・松助を亡くし一門の主となった彼の苦労は計り知れない。「かなり悶々としていた」20代前半。周囲に内緒でオーディションを受けて落ちるといった経験もした。「待っているだけでは何も変わらない」と歌舞伎自主公演をスタート。最初は客がなかなか入らず、手応えを感じ始めたのはチケットが初めて完売になった4回目からだ。くじけそうになるたびに、

「『継続は力なり』という猿之助のお兄さんの言葉を思い出していました。支えてくれた方、周りで応援してくれた方のためにも頑張ろうと。意地でしかありませんでした」

 20代後半になってからようやく芽が出てきたと感じる。20代を締めくくる今回の公演ではまず、曽我兄弟を題材とした舞踊「春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)」の曽我五郎に挑む。

「一昨年に荒事『壽曽我対面(ことぶきそがのたいめん)』で曽我五郎役をいただきました。これが手も足も出なかった。今回の五郎の踊りも非常に難しい。でも、浅草では僕の経験や技術では遠く及ばないお役をやらせていただける。お役を与えていただくことが役者を一番成長させてくれます」

AERA 2015年1月19日号より抜粋


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