離婚で一番の問題になるのが、お金の話。慰謝料をもらったとしても、その後の暮らし方では苦しい生活を余儀なくされることも。あえて「居心地の悪い」環境に身を置くことも大切なようだ。
「浮気夫から慰謝料ガッポリもらって、人生やり直すわ!」
なんて言えるのは、芸能人かセレブの話。司法統計年報を見ると、婚姻期間によって異なるが、1998年の平均額は財産分与も含めて約380万円。慰謝料の支払いや財産分与が行われないケース、養育費を払わないケースも多い。
「病気、失業といった人生のリスクの中で唯一“準備”する人が多いのが離婚。計画的に別れるべき」と、藤川さん。事務所には離婚後の生活費を相談にくる女性も少なくないという。
「離婚を考えだすと、大体がへそくりを始めるんです。一番多かった女性は2千万円貯めていました。年収1500万円のご主人は、そのことにまったく気づいていなかった。その女性は、家と慰謝料まで手に入れましたよ」(ファイナンシャルプランナーの藤川太さん)
また藤川さんによると、慰謝料を得た女性には共通点があるという。家を買いたがるのだ。
「将来の生活が不安なため、住むところを確保したいと思うのかもしれません。しかし、今まで専業主婦をしていた場合には、収入を確保してからでないと、家はあっても生活できなくなります。ここが落とし穴です」
藤川さんは、離婚後は「いったん実家に戻る」のを勧める。
「離婚で重要なのは慰謝料ではなく、その後自立できるかどうか。自分を追い詰めるためにも居心地の悪い実家に戻って勉強し、職探しすることが大切です」
※AERA 2014年12月15日号より抜粋