(※イメージ)
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 日本製品を大量買いしていく、中国人観光客たち。「キットカット」に「サンテFX」「おーいお茶」……今、日本に来る中国人にはこういったものがお土産として人気だという。彼らは大量に購入した商品を、一体どうしているのだろうか。

 ドン・キホーテ銀座店の店内を歩いてみると、人気商品の売り場には、もちろん中国語のポップ付き。ちなみに同社は、外国人観光客にいち早く着目。深夜営業や店内の多言語化などで、外国人の売り上げを伸ばしてきた。結果、訪日する外国人観光客の半数に当たる「のべ550万人」(2013年推定)がドン・キホーテのレジを通る。

 また、そのノウハウを作ってきた訪日観光客誘致チームが分社化して、「ジャパン インバウンド ソリューションズ」という、訪日観光の専門会社も設立している。中村好明社長は言う。

「訪日客の購入商品の単価は下がりましたが、トータルの売り上げでは前年比3~4倍の伸び。情報の拡散スピードがアップして、日本でヒット中の商品はすぐに訪日観光客の人気商品になる。売る側としては、国内も海外も、お客さまを区別してなんかいられない時代ですね」 

 それにしても、キットカット段ボール1箱とか、彼らが買っていった商品は、帰国後どんなふうに消費されるのか。中国人観光客を迎え入れる日本企業の研修などを行うレジャーサービス研究所の斉藤茂一所長は言う。

「家族や親戚へのおみやげがほとんど。中国人は近所の商店に買い物に行っても、家族へのおみやげを忘れない。一族の結束が強いので、遠い親戚にまでリクエストを聞いたおみやげリストを、A4の紙何枚かに書いて持ってくる人もいます」

 買ってきてほしいものをネットで募り、手数料を上乗せして転売し、旅行代金の足しにする輩もいるにはいるが、それはレアケースだという。

AERA  2014年11月10日号より抜粋