キョンキョン式「変化」でソニーを再び革新企業に 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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キョンキョン式「変化」でソニーを再び革新企業に

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冨山和彦(とやま・かずひこ)ボストンコンサルティンググループなどを経て2003年、産業再生機構専務兼COOに。07年から経営共創基盤CEO (c)朝日新聞社 

冨山和彦(とやま・かずひこ)
ボストンコンサルティンググループなどを経て2003年、産業再生機構専務兼COOに。07年から経営共創基盤CEO (c)朝日新聞社 

 ここのところ、業績低迷に苦しんでいるソニー。次々に新商品を展開するアップルと比べると、変化の波に乗れていないように見える。この「ソニーが変われない理由」を、ボストンコンサルティンググループなどを経て2007年から経営共創基盤CEOとなった冨山和彦氏は次のように説明する。

* * *
「ソニーは、なぜ変われないのか」

 最近、そんな議論をよく聞きます。ウォークマン、プレイステーション、VAIOなど、革新的な商品を生み出し続けたソニーが、かつてない業績低迷に苦しんでいる。消費者は、革新的なソニーに再び生まれ変わることを期待しています。

 でも、考えてみてください。創業して70年弱、従業員14万人超の「古くて大きな会社」が、簡単に変われると思いますか? 古くて大きな会社の「変わる力」は、若くて小さな会社にくらべて乏しい。これは、万国共通の事象です。

 ただ、日本企業の場合は少し深刻です。新卒一括採用と終身雇用、年功序列で社員の流動性が低い。新たな価値観を吹き込む機会が少ないからです。

 ソニーに話を戻しましょう。彼らはiPodを生み出す能力を持っていたと思います。携帯プレーヤーを開発する技術力も、音楽コンテンツもあった。それなのにできなかったのは、組織の壁があったからでしょう。

 会社が大きくなると、経営者は事業や役割ごとに分けて組織を管理するようになります。でもiPodのような革新的な製品は、個々の境界を超えた先にある。

「iPodは家電部門と音楽部門、どっちが手掛ける仕事か?」
「グループ会社のコンテンツを優先的に配信すべきか?」

 なんて調整をしていては、会社を変える製品や力は生まれません。結果、利益を生み出せなくなり、企業は「老化」していきます。

 変わる力は、小さくて若い会社に宿ります。若い会社には、しがらみも、そして自らを縛る過去もない。いつの時代も、イノベーションの多くは若きベンチャーから生まれています。「大人」になったソニーに「第2のウォークマン」を期待するのは、40代も後半を迎えたキョンキョンに、「アイドルで居続けて」とお願いするようなもの。そもそも、ナンセンスなのです。

 ただ、古い会社は老化していくしかないのかというと、私はそうは思いません。トヨタの強みは、製造方法を改善し続ける「カイゼン方式」。

 大人になった会社には、ノウハウを「積み上げ」「蓄積」した大人の魅力が表れます。キョンキョンがアイドルを脱皮して「アイドルのお母さん」を演じたように、企業も成熟した大人の変化をすればいいのです。

AERA 2014年9月8日号より抜粋


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