晩婚化が進む中、40代で婚活する女性は珍しくない。だが40代での婚活は、これまでの方法と同じというわけにはいかないようだ。

 ノンフィクション作家の衿野未矢さんは、47歳の時に「40代のうちに嫁に行くぞ!」と婚活を開始した。48歳の時に落語の師匠に誘われた飲み会で、新潟県魚沼市から出張で来ていた当時56歳の「結婚願望の薄い」男性と出会った。そして、見事2012年3月に49歳で結婚。その婚活過程は、『“48歳、彼氏ナシ”私でも嫁に行けた! オトナ婚をつかみとる50の法則』(文藝春秋)に詳しいが、タイトルにもあるように、彼女は婚活中から法則=戦略を考えたという。

 40代ともなるとそれまでの婚活必勝ルールが通じなくなるらしい。では、衿野さんが実際に導き出した50の法則とはどんなものなのか。

 例えば「結婚願望を隠さない」。一般に「結婚を迫ってはいけない」と言われる。だが、「最初にタテマエを出してしまうと、修正しづらい」。本心を伝えると相手も心を開きやすいという。交際中は、会うたびに「結婚したい」と言い続けた。

「自分の気持ちを押し殺しても楽しくありません。結婚したいしたいと相手にゲタを預けた感じでした」
 
 40代女性の婚活ポイントは「引き算」だという。

「やらないことを増やしたことが良かった。彼のためにやってあげられることを、あえてやらないようにしたんです」

 遠距離恋愛だった彼女は結婚が決まるまで彼を決して自宅へ泊めなかった。自宅へ泊めて朝食を用意するなどサービスに努めたら、彼は「身軽な独身のまま、ときどき家庭気分を味わう」という都合のいい状態に満足してしまうのではないか、という危惧があったからだ。さらに、泊まるような関係になって別れでもしたら、年齢的に喪失感も大きい。他にも、女友達に相談しない、隠し事をしない、駆け引きをしない、食事を作らない……など「ないない」戦略は続く。

「交際は仮状態だと常に意識させるようにしました。安住させないという戦略です」

 もっとも結婚に結びついた一番の要因は、彼をどんどん好きになっていったことだ。結婚したいという気持ちが膨らんで、うまく行かなくても仕方がないという覚悟もできた。

AERA 2014年7月7日号より抜粋