早稲田大学国際教養学部森田学部長による映画論の授業。科目群は生命・環境・物質・情報科学、哲学・思想・歴史、経済・ビジネスなど文理幅広く設定(撮影/写真部・植田真紗美)
早稲田大学国際教養学部
森田学部長による映画論の授業。科目群は生命・環境・物質・情報科学、哲学・思想・歴史、経済・ビジネスなど文理幅広く設定(撮影/写真部・植田真紗美)
明治大学国際日本学部Speakingの授業風景。習熟度別に少人数で行う。学生同士、あるいは教員と学生が双方向で会話する実践的な授業が多い(撮影/柿崎明子)
明治大学国際日本学部
Speakingの授業風景。習熟度別に少人数で行う。学生同士、あるいは教員と学生が双方向で会話する実践的な授業が多い(撮影/柿崎明子)

 この10年、多くの大学で国際系の学部が新設されている。走りとなったのが早稲田大の国際教養学部。授業をすべて英語で行うため、1年次は少人数で徹底した英語教育を行う。教員との双方向でコミュニケーション能力を鍛えるとともに、多量のライティングを課す。

「留学と同じ環境をつくりたい」(森田学部長)と、定員600人のうち3分の1は海外からの留学生。日本人学生には1年間の留学が義務付けられている。就職先は商学部と傾向が似ており、金融、商社、メーカーなど様々な業態に就く。

「どの分野にしても明確な目標を持って進んでいる。今後は国際弁護士や国際会計士など、国境を超えて専門的な職務をこなす、プロフェッショナルを育てていきたい」(森田学部長)

 同じ国際系でも、日本文化の視点を取り入れたのが明治大学の国際日本学部。教務主任の山脇啓造教授は言う。

「日本の知識を持ったうえで、世界に発信できる人材を育てる。日本文化に関心が高い海外の学生にもアピールしていく」

 江戸学や漫画史、武道文化論、ものづくり論など日本に関する多彩な講座がそろっている。1年次には広く履修し、3年からゼミで専門分野を深く学ぶ。70科目が英語で開講され、日本人学生は12単位が必修。TOEFLの規定を満たした学生は2年の後半から、単位互換制度のある半年間のセメスター(1学期)留学ができる。特に留学先で行う、ウォルト・ディズニー・ワールドでのインターンシップは、人気のプログラムだ。

 同学部の特徴のひとつが、街とコラボした実践型のワークショップ。13年に移転した中野キャンパス周辺はサブカルの聖地として有名で、大学や国際学生寮が開設されて留学生が急増した。学生は中野区が主催する多文化共生フォーラムへの参加、生活情報パンフレットの作成、商店街と組んで留学生の歓迎イベントを開くなど、学外でも活発に活動している。同学部留学生も小学校を訪ね、交流を重ねている。

 卒業生の就職先は主にサービス、金融、メーカーなどで、海外との取引がある部署へ回ることが多いという。

AERA  2014年6月16日号より抜粋