大野木容疑者によるとみられる投稿サイトの書き込み。<誰にも心を開けず><何も渇望がない。期待がない>という文字からは、疎外感が色濃くにじむ(撮影/写真部・岡田晃奈)
大野木容疑者によるとみられる投稿サイトの書き込み。<誰にも心を開けず><何も渇望がない。期待がない>という文字からは、疎外感が色濃くにじむ(撮影/写真部・岡田晃奈)

 名古屋で起きた暴走事件の容疑者は、ネットの投稿に明け暮れていたようだ。秋葉原の無差別殺傷事件と同じく、疎外感が憎しみに変わり、凶行に走ったのか。

 名古屋駅前の歩道に2月23日の白昼、乗用車が突っ込み、13人が重軽傷を負った。殺人未遂容疑で現行犯逮捕されたのは、名古屋市西区の無職、大野木亮太容疑者(30)。愛知県警の調べに対して「人をはね殺すつもりで突っ込んだ。誰でもよかった」と供述。理由については、こう語っているそうだ。

「家庭や社会に対して不満があった。受け入れられていない感覚を持っていた」

 つまりは自分が認められないことへのいら立ちから、凶行に走ったということか。ただ、「自分にも不満があった」とも話しているという。複雑な内面を読み解く材料として県警が注目しているのが、大野木容疑者のものと見られる投稿サイトの書き込みだ。ハンドルネームは「orehaore08」。俺は俺、と読める。投稿は2010年1月から始まっている。

 以前から<引きこもり>だったと明かし、<ゲームに現実逃避していた>という。投稿を始めた頃は、ゲームの攻略法を教えてほしい、といった質問に回答することが多く、ベストアンサーにもたびたび選ばれている。自らの悩みを質問として投稿し始めたのは、13年3月から。

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