「この前、女友だちの一人が結婚して富山に引っ越しました。もう2人で飲みに行くことはないと思うと寂しい。友人ということはお互いが好ましく思っていたわけで……。正直、10%くらい結婚する可能性はあるかと思ってた。それがゼロになったわけですから」

 女友だちが結婚して旦那という牢獄の囚われの身になり、2人で飲みにも行けなくなり疎遠になってしまうことがつらいという。

 現在独身の記者にもこの種の経験はある。そして今、こう思う。「あのとき口説いておけばよかった」と。少なからぬ好意を抱いていた高校時代からの友人がいた。だが友人関係が壊れるのが怖く、一緒のベッドで夜を過ごしても何もないままだった。いつかは離ればなれになるのなら、思い切った行動に出てもよかったのに。その彼女は結婚した後、子どもももうけ大阪に住んでいると風の噂で聞いた。誰も、口説くのはいつ? 「今でしょ!」とは教えてくれなかった。

AERA 2013年12月23日号より抜粋