今年開催された「カメラ日和」主催の初心者向けカメラ講習会の一コマ。参加者のほとんどは女性といい、技術を学んで「可愛らしいだけ」の写真から卒業していく(撮影/山本倫子)
今年開催された「カメラ日和」主催の初心者向けカメラ講習会の一コマ。参加者のほとんどは女性といい、技術を学んで「可愛らしいだけ」の写真から卒業していく(撮影/山本倫子)

 よく撮る被写体は「風景」「料理」「空」。7割がフェイスブックなどのSNSやブログなどに写真を上げ、カメラ購入の決め手は半数以上が「見た目」で、使っているカメラの色は半数近くが「白」で圧倒的一番人気…。

 光学機器メーカーのオリンパスが運営する女性向け写真コミュニティー「SWEET PHOTO」のメールマガジン購読者ら約350人(35歳以下)を対象に昨年末行ったアンケートで、こんな結果が出た。

 特に2008年、軽量化したミラーレス一眼カメラが登場してからは、アクセサリーの一環としてカメラを「着こなす」女性が急増。ペンタックスは主力機種のQシリーズの色を100種類以上そろえて女性にアピールしている。

 ミラーレス一眼「PEN」を擁するオリンパスの担当者は、PENの機能である「アートフィルター」が特に女性の人気を呼んでいると分析する。

「男性は画素数の高いものを好みますが、女性は『ポップアート』や『トイフォト』といった現実の見え方とは違う仕上がりを好む傾向があります」

 先日『エアリーフォトの撮り方レシピ』を上梓した写真家の山本まりこさんは、男女の写真に対する考え方は「根本的に違う気がする」と語る。

「写真の撮り方を説明するのでも、男性相手だとホワイトバランスなどの数値説明から入り、女性相手には『料理を食べていてふと見上げると、うわ、この光が可愛いな…』など状況、心情を絡めて説明する。女性は写真をボケさせるテクニックを教えると目が輝き、男性はシャープネスのかけ方を教えると喜ぶ傾向がある気がします」

 女性が撮りたいのは「自分の気持ち」、「SWEET PHOTO」で空の写真などが目立つのもそのためではないか、とオリンパスの担当者は語る。

「自分の気持ちを反映させやすい被写体なのかもしれませんね。心配させたいときは曇りの空を撮ってみるとか」

 女性の写真趣味がSNSとの親和性が高いのもうなずける。

AERA 2013年12月16日号より抜粋