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プライバシーより命 誘拐事件FB連携で生還率高まる

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 米オハイオ州の民家で約10年間監禁されていた女性たちが保護された。衝撃的な事件から、格差や子どもの失踪など米国の抱える問題が浮き彫りになった。また、今回の捜査ではフェイスブックやツイッターも使われており、そのことも影響を与えたようだ。

 失踪当時16歳と14歳だったアマンダ・ベリーさんと、ジーナ・デヘスースさん、そして21歳だったミシェル・ナイトさんが約10年間監禁されていたアリエル・カストロ容疑者(52)の自宅は、黒人とヒスパニック系住民の多い貧しい地域にある。

 近隣住民がこの家の裏庭に裸の女性がいたと警察に通報しても、警察は家の中までは調べなかったと報道されている。

「同じことがもし中流層が住む郊外で起きていたら、警察はもっと真剣に対処していたはずだ」

 オハイオ州クリーブランドの郊外に35年間住んでいる男性、スタン・ルクセンバーグさんはこう憤る。誘拐と強姦の罪で起訴されたカストロ容疑者は、近隣住民とはバーベキューを楽しみ、サルサ音楽を演奏する一方で、自宅の地下室では女性たちを強姦、妊娠させ、さらに流産するまで腹部を殴るなどの残虐な暴力を加えていたと見られる。

「土地勘のある地元で、若い女性を車に誘い、監禁。外と内の顔の二面性を使い分けてコミュニティーを欺く。こういうケースは発見するのが最も難しい」

 こう話すのは、警察と連携して失踪した子どもたちを捜索するNPO「ナショナル・センター・フォー・ミッシング・アンド・エクスプロイテッド・チルドレン」のボブ・ロワリー氏だ。

 失踪当時10代だった女性たちの名前を米国メディアは実名で報道し続けた。AP通信広報は、「性暴力の犠牲者の氏名は通常実名報道しないが、この事件では、失踪期間に家族や警察により名前が広く公表されていたため、実名を使った」と説明する。テレビやフェイスブック、ツイッターで顔写真と実名を公表し徹底捜索することで、誘拐された子どもたちの「生還率」が高まる、とロワリー氏も説明する。地元クリーブランドの住民の男性は話す。

「命とプライバシー。ふたつを秤にかければ、親なら当然前者を選ぶだろう。一生地元から離れないで暮らすとしてもだ」

AERA 2013年5月6日・13日号


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