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安倍首相が新経連・三木谷氏に接近する狙いとは

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 駆けつけた安倍晋三首相が壇上に上がった。

「自民党はニューエコノミーでなく、オールドエコノミーとがっちり組んでいるような印象と持たれていますが、それは違うとはっきり言っておきたいと思うのでございます」

 聴衆にどよめきが起きた。4月15日夜、東京・紀尾井町のホテル。「新経済連盟(新経連)」が主催する「新経済サミット」の前夜祭は盛り上がった。

「新興の経済団体の会合に首相が来るなんて珍しいらしいよ」

 若い起業家から、そんなささやきが漏れた。

 確かに、経済団体の会合で首相が挨拶することはめったにない。業界に団体は星の数ほどあるが、首相の登壇は格の高い団体に限られる。

 首相挨拶が恒例になっているのは、経団連、経済同友会、日本商工会議所の三者共催の新年会、自動車工業会の新年会、全国銀行協会の総会など数えるほどだ。発足したばかりの新経連に顔を出すのは、特段の配慮がうかがわれる。

「新経連なんて業界団体の一つですよ」
「起業家精神を言うなら国に頼ることはいかがなものか」

 経団連の上層部からは、そんな発言が相次いでいる。表向き「コメントすることもない」と無視を決め込む財界主流も新経連の首相との近さは気に障るようだ。

 かつて「財界総理」と呼ばれ、政権の後見人のような役回りにあった経団連会長だが、企業献金の廃止もこれあり、首相との間にすきま風が吹いている。昨年末の衆院選後に安倍が最初に会った経済人は、経団連会長の米倉弘昌でなく楽天社長の三木谷浩史だった。

「米倉会長は、国民新党代表だった亀井静香と大学時代から馴染みで、政治家・安倍晋三の評価はすこぶる低い。そのあたりを感じ取ってか、安倍は米倉をオールドエコノミーの代表のように思っている」

 財界記者は、そう指摘する。財界主流と政権のギクシャクした関係は、個人的な好き嫌いだけではない。安倍政権は、意図的にニューエコノミーへの接近をはかっているというのだ。

 経団連は伝統的に自民党支持。その一方、財界につながっていないネット系企業は、政治的には「支持政党なし」である。

「ソフトバンク社長の孫正義は、反原発の流れに乗ってメガソーラーを展開するなど民主党政権に接近した。若者票につながるニューエコノミーが、非財界=野党支持にならないよう取り込もうと新経連に接近しているのではないか」

 と見る経営者もいる。(文中一部敬称略)

AERA 2013年4月29日号


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