谷口さん親子1歳、3歳、7歳の3児のママ。週末は子どもたち全員をパパが一人で見てくれることも。オシャレができるのも育児に協力的な優しいパパのおかげです(撮影/写真部・慎芝賢)
谷口さん親子
1歳、3歳、7歳の3児のママ。週末は子どもたち全員をパパが一人で見てくれることも。オシャレができるのも育児に協力的な優しいパパのおかげです(撮影/写真部・慎芝賢)

 汚れてもいい服に機能的なパンツ、ノーアクセサリー、時にはノーメイクだって、ちょっと前なら「ママだからOK」と許されたはず。いや、“昭和世代ルール”なら、「子どもがいるのに、オシャレなんて」と、服装やメイクに気を使っていると、冷たい視線まで浴びていた。

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 だが、ここ数年、オシャレママをターゲットにした雑誌の創刊やテレビの新番組が相次いでいる。こうした若いママたちの変化をつかんでいるのだ。

 昨秋スタートしたテレビ朝日で放映中の「キラ☆キラGirly mama」プロデューサーの武藤一成氏も、番組作りのきっかけをこう話す。

「いつまでも女の子の気持ちを持ったママというムーブメントがきている。そう思わざるを得ないほど、明らかに街や公園で見かけるママたちが、可愛くてファッショナブルでした」

 あくまでも子育て優先。だが、オシャレは諦めず楽しむという番組の内容が、女の子でいたいママや、そうなりたい独身女子を刺激した。

「毎朝、前髪とトップの部分は大きめのカーラー3本、サイドは2本くらい巻いてしばらく置いておいてから、根元はスプレーとワックスで…」

 専業主婦の女性(42)が「そのふんわりヘアはどうやっているの?」と、小学校の保護者会で尋ねた相手は、ひと回り以上年下の29歳の3児のママ。

 いつも美容院で「楽にスタイリングできる」を条件に髪形を決めている自分とは大違い。彼女の説明を聞きながら、マネすることは諦めた。

 まだ手がかかる赤ちゃんもいる若い彼女だが、いつもコーディネートはヘアスタイル同様に完璧。それに対して小学生の息子が2人いる自分は、赤ちゃんがいたころは体形を隠すために、妊婦と間違えられそうなチュニックにパンツが定番だった。周りもそんな感じで、気がつくと普段のオシャレに対する意識が、低くなってしまった。

 ここまで差が出た理由はいろいろ考えられるが、夫の家事・育児への協力度の違いも関係があると、この女性は話す。

「あちらは夫が同世代のイクメン。いつもパパが赤ちゃんを抱っこして、学校行事に参加しています。カーラーを巻いた彼女と一緒に朝食を作ったり、食器を洗ったり。妻には何か買えばOKと思っていた40代の夫には、できなかったこと」

AERA 2013年2月25日号