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トラブルのボーイング787型機は日本企業の「ドル箱」だった

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高松空港に緊急着陸したボーイング787型機。乗客は機体の左右にタコ足配線のように設置された脱出シューターを滑って避難した (c)朝日新聞社 

高松空港に緊急着陸したボーイング787型機。乗客は機体の左右にタコ足配線のように設置された脱出シューターを滑って避難した (c)朝日新聞社 

 ここのところ相次いでいるボーイング787型機のトラブル。その影響をどこよりも深刻に受けるのが日本の企業だ。

 今回のトラブルが全日空や日本航空の打撃となったのはもちろんだが、関連企業への影響もある。機体の製造には60社以上の日本メーカーが部材を供給しているからだ。

 機体の構造材には東レの炭素繊維複合材が使われ、主翼やタイヤ、エンジン部品など基幹部品の製造は三菱重工業やブリヂストン、IHIなどが担当。その株価は軒並み下落した。18日の終値は、主力メーカーの東レと、配電装置を納めるナブテスコが年初比で約7%下落。東邦チタニウムも約5%、落ち込んだ。バッテリー問題の当事者のGSユアサ株に至っては約10%も下がっている。

 そもそも、なぜ日本は787型機に傾斜してきたのか。背景にあるのは、世界的な景気低迷や燃料となる原油の高騰、格安航空会社(LCC)の台頭といった環境の変化だ。

 かつてのコンコルドや2階建てジャンボ機に代表される、スピードと大きさを競う時代は終わった。もっとも重視されるのは燃費の向上で、機体の軽量化とコンパクト化が求められるようになり、787型機では従来のアルミ合金よりはるかに軽い炭素繊維複合材が機体の構造材に採用された。従来機より燃費が2割も良くなり、1回の給油でジャンボ機並みの長距離飛行が可能になった。

 全日空や日航はその利点を生かし、これまではジャンボ機を飛ばしても座席が埋まらなかった独フランクフルトや米ボストンなど海外の「第2都市」路線に787型機を投入して路線網を拡充しようと考えていた。「10年で千機売れたら大ヒット」といわれる航空機市場で、787型機の受注残は運航開始約1年で約800機に。メーカーにとっても「ドル箱」だったわけだ。相次ぐトラブルによって、関連企業の業績への影響が懸念されている。

AERA 2013年1月28日号


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