“更地”があれば、そこで何をするのも自由です。「ここで何をしようか?」。今まで眠っていたワクワクが生まれ、やりたいことや、理想の暮らしのイメージがわいてきます。

 本の中では、スペースがないせいで、やりたいことを諦めかけていた83歳のご婦人が、“更地”になった場所にアトリエをつくりたいと言い出して、目をキラキラさせながら、片づけに励んだ例が出てきます。

(4)収納の中は後回しでいい

 片づけというと、まず収納の中のモノを出すことから始める人が多いのですが、最初にこれをやると多少モノは減りますが、たいてい途中で挫折します。

 モノと向き合って、「いる」「いらない」をやっていると、心身ともに疲労困憊(ひろうこんぱい)し、家族とけんかになって、片づけがいやになります。

 収納の中は部屋が片づいたあと、暇になったときにやればいい。まずは部屋に“更地”をつくることが先決です。

“更地”をつくって、やりたいこと、やりたい暮らしが見えてくると、そのために必要なモノ、いらないモノがはっきりしてきます。そうすれば、自然とモノの整理も進むのです。

 何のために片づけるのか、その目的が「死ぬ前に片づけなきゃ」ではなく、ワクワクする「夢の実現」のためなら、もっと前向きに片づけに取り組めるはずです。

 本書では、モノが多い家でも、ひとつもモノを捨てずに、“更地”をつくる画期的な方法や実例を豊富にあげています。また一度つくった“更地”が再びモノで埋まらない具体的なアイデアや生活習慣についてもふれています。

 いくつになっても、やりたいことに挑戦できるワクワクする片づけに、ぜひみなさんも取り組んでみてください。 

 そしてたとえコロナのような災いが襲ってきたとしても、「家にいれば安全」「家にいてよかった」「家が楽しい!」と思えるような暮らしをつくっていただければと思います。